スクリプト作成のガイドライン
スクリプトの使用
SGXでは、音声のほかにスクリプトをインプットすることもできます。スクリプトのメリットについては、「インプットの方法」をご覧ください。
スクリプトは、音声ファイルで話している言葉を、その言語で使用されている文字体系で記述します。たとえば、以下の音声ファイルがあるとします。
このファイルには、次のスクリプトが含まれています。
This is actually a story about my grandfather um who fought in the war
(これからお話しするのは、あの戦争に出征した祖父のことです)
スクリプトは必須ではありませんが、使用するとリップシンクの品質が向上します。スクリプトを使用する場合は、その言語に適した言語パックを使用します。
スクリプト作成のベストプラクティス
スクリプト作成のベストプラクティスは以下のとおりです。
エンコード
スクリプトは、言語の種類を問わずすべてUTF-8でエンコードにします。
正確さ
スクリプトはなるべく音声に忠実にします。そのため、台本のセリフを使用するのではなく、録音後にスクリプトを作成します。たとえば、台本のセリフが「No, no way」(違うよ、絶対に)であっても、俳優が実際に発したセリフが「Nope, no way」(違うって、絶対に)である場合は、後者をスクリプトに記述します。
ただし、自動修正機能が搭載されているため、スクリプトに間違いがあっても、基本的には正確なリップシンクを維持します(「音声的・音響的リップシンク処理」参照)。
数字
アラビア数字は発音を予測できないため、使用しないでください。代わりに、実際の発音を記述してください。例を挙げると、「1701」の場合は実際の発音に応じて「seventeen oh one」「seventeen hundred and one」「one thousand seven hundred and one」などと記述します。
句読点などの記号
ピリオド(句点)やカンマ(読点)、ハイフン、改行などは不要です。通常は無視されるため、削除しなくてもかまいません。なお、セリフ中の間(ま)は音声から直接判定されるため、句読点などを入れてもそれが間として解釈されることはありません。
ただし、以下のように句読点が単語の正しい綴りの一部である場合は、かならず使用してください。
短縮形を表すアポストロフィ(英語のdon’t、フランス語のc’est)
複合語のハイフンや、フランス語の代名詞の倒置(a-t-il)などの特殊形式
上記のほかに、正しい綴りの一部であるアクセント符号やウムラウトなどの発音区別符号も記述してください(フランス語の「très」など)。これにより、発音の精度が高くなります。
特殊文字
$ £ € & % # @ ¥ ₽ °をはじめとする特殊文字は無視されるため、「ドル」や「アンド」、「アットマーク」など、その発音を記述します。
頭文字語
頭文字語を記述するには、以下のようにピリオドや空白文字を使用して文字を区切ります。
A.B.C.
A. B. C.
A B C
上記はいずれも「エービーシー」という発音になると解釈されます。「ABC」のように、ピリオドや空白文字を使用しない場合、1つの単語として発音するものと解釈されてしまうため注意してください。
文字の繰り返し
特定の音を伸ばす場合、音の長さは文字ではなく音声で判定されます。そのため、「Oh noooooooooo!」のような文字の繰り返し表現はしないでください。
言葉以外の発声(息遣い、感情表現、うなり声)
息遣いやうなり声、「えーと」、「うーん」、「あー」といった言葉以外の発声については、挿入したい箇所に「あー」、「おお」、「ふむ」、「おや」などを記述してください。その情報を基に発音が行われます。
あるいは、こうした音をスクリプトから省いたうえでリップリンクさせるという方法もあります。想定外の音が検出されると、自動修正機能によって音声的リップシンクから音響的リップシンクに自動で切り替わります(「音声的・音響的リップシンク処理」参照)。音響的リップリンクは、さまざまな非言語音をより適切に処理できるため、音を記述した場合よりも自然なリップシンクになることが少なくありません。
リップシンク以外にも、SGXでは非言語の音声からノンバーバルビヘイビアをトリガーできます。たとえば、うなり声を検出すると「エフォート」というオートモードがトリガーされます(詳しくは「オートモード」参照)。スクリプトで何か作業する必要はありません。