SGXのバッチ処理
SGXは、大量の音声ファイルに対して高品質のフェイシャルアニメーションを手軽に作成できるソフトウェアです。このプロセスを円滑に行うために、バッチ処理という機能を搭載しています。バッチ処理は、SGX Producerで行いますが、SGX Directorからも実行できます。
バッチ処理には、以下の2つのモードがあります。
新規イベントの処理
既存イベントの処理
新規イベントの処理
このモードでは、新しい音声とスクリプトをインプットとして指定します。バッチ処理用のインプットを準備する方法については、「バッチのインプット形式」をご覧ください。インプットする音声ファイルそれぞれに対して、音声ファイルと同じ名前のイベントファイルが新たに作成されます。以下に、インプットファイル(左側)と、処理が完了したイベントファイル(右側)の例を示します。


既存イベントの処理
既存のイベントをバッチ処理するときは、対象のイベントが格納されているディレクトリをインプットとして指定します。イベントファイルはインプレースで処理されるので、新しいファイルは作成されずに既存のファイルが上書きされます。既存のイベントのバッチ処理が必要になるのは、以下のようなケースです。
イベントを初めて処理する場合(音声とテキストファイルを読み込んでSGX Directorでイベントを作成したものの、処理はまだしていない場合など)
バッチ処理のレポート
バッチ処理では、バッチについてまとめたファイルも2つ生成されます。このファイルは、処理が完了したイベントファイルと同じディレクトリに格納されます。
| バッチコマンドの引数のレコードが入ったテキストファイル |
| 処理のレポートが入ったCSVファイル |
<タイムスタンプ>の部分は、以下の形式です。
yyyymmddThhmmss
たとえば、以下のようになります。
20230929T164937
処理のレポートではイベントごとに行が分けられ、以下のようにカンマで値が区切られています。
name,path,processing_status,transcript_status,phonetic_analysis_score,pre_roll,post_roll
レポートに記載される項目については以下の表をご覧ください。
プロパティ | 値 | 説明 |
name | イベントの名前 | |
path | イベントファイルのパス | |
processing_status | 0、1 | 処理が成功したかどうか(0=失敗、1=成功) |
transcript_status | 0、1 | スクリプトが検出され、使用されているかどうか(0=いいえ、1=はい) |
phonetic_analysis_score | 0~1 | 音声的リップシンク分析の精度。音声的リップシンクの使用範囲を決定する(「音声的・音響的リップシンク処理」参照)。 |
pre_roll | 0以上 | プリロールの長さ(ミリ秒) |
post_roll | 0以上 | ポストロールの長さ(ミリ秒) |
以下に、バッチ処理のレポートの.csvファイルをスプレッドシートとして表示した場合の例を示します。
name | path | processing_status | transcript_status | phonetic_analysis_score | pre_roll | post_roll |
|
| 1 | 1 | 0.84 | 18.21 | 42.79 |
|
| 1 | 1 | 0.79 | 0 | 216.68 |
|
| 1 | 0 | 0 | 15.9 | 16.41 |
|
| 1 | 1 | 0.99 | 103.43 | 136.37 |
|
| 1 | 1 | 0.95 | 0 | 401.91 |
|
| 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
|
| 1 | 1 | 0.91 | 13.43 | 136.37 |
|
| 1 | 1 | 0.89 | 0 | 136.37 |
|
| 1 | 1 | 0.65 | 103.43 | 0 |
|
| 1 | 1 | 0.77 | 29.02 | 432.31 |
|
| 1 | 1 | 0.99 | 0 | 0 |